プロゲーマー監修のゲーミングイヤホン「AZEL Edition G MK2」をレビューします。
私は最近Apex LegendsというFPSゲームにハマっているのですが、音楽用のモニターヘッドホンを使ってプレイしていました。
モニターヘッドホンは音の解像度が高いものの、高音が刺さって聞こえたり、350g以上もの重量があったりして、長時間ゲームをプレイするのには向いておらず、ゲーム用に新しくイヤホンかヘッドホンが欲しいと思っていました。
そんな中、FPSゲーム向けのゲーミングイヤホン「AZEL Edition G MK2」をレビューする機会をいただきました。
この「AZEL Edition G MK2」は、プロゲーマー監修の元、FPSゲームなどで敵の位置や足音を把握しやすいようにサウンドがチューニングされたゲーミングイヤホンになっています。
今回メーカーさんからサンプル品を提供していただきましたので、本記事ではどんなゲーミングイヤホンなのか詳しくレビューしていきたいと思います。
AZEL Edition G MK2とは?(スペック、概要)
今回レビューする「AZEL Edition G MK2」は、イヤホンやイヤーピースを専門に手掛けているブランド「AZLA(アズラ)」から発売されているゲーミングイヤホンです。
韓国の人気プロゲーマーの監修のもと設計されており、FPSゲームなどで銃声や足音を聞き取りやすいようにサウンドをチューニングし、空間の表現力の高さから敵の位置を把握しやすいゲーミングイヤホンとして紹介されています。
商品名の「MK2」というのは、iPhoneやiPadといったiOS端末に対応したLightning変換アダプターが追加で同梱されているスペシャルパッケージ版のことを意味します。つまりイヤホン自体は「MK2」が付いていない商品と同じ物になります。
そんな「AZEL Edition G MK2」のスペックは以下のとおりです。
ドライバー | 自社開発8mm径ダイナミックドライバー |
インピーダンス | 24Ω(±10%@1kHz) |
周波数特性 | 4Hz〜60kHz |
接続方式 | 3.5mm、USB-C、Lightning端子 |
重量 | 約19g |
ケーブルの長さ | 約175cm |
価格 | 9,999円(税込)※2022年8月執筆時点 |
このスペックを見て注目したいのが、「周波数特性:4Hz〜60kHz」という点です。
周波数特性というのは、簡単に説明すると「どれだけ低い音から高い音まで鳴らすことができるのか」という指標であり、このイヤホンの「4Hz〜60kHz」という数値は他のイヤホンやヘッドホンと比べても優れた数値になっています。
ただ、この数値が優れているから音質が良いというわけではなく、人間が聞き取れるのは20Hz〜20kHzとも言われているので、実際にどんなイヤホンなのか詳しく見ていきたいと思います。
ちなみに、アキハバラe市場で購入することができます。
アキハバラe市場 本店:https://www.akiba-eshop.jp/shopdetail/000000009711/
アキハバラe市場 楽天店:https://item.rakuten.co.jp/akiba-eshop/8809825490681/
AZEL Edition G MK2の外観と付属品
AZEL Edition G MK2の内容物は以下のとおりです。
- イヤホン本体
- 交換用イヤーピース(6サイズ)
- 3.5mm to Lightning DAC
- DAC内蔵USB Type-C変換ケーブル
- USB Aタイプ変換アダプター
- キャリングポーチ
- クリップ
- 説明書
付属品が充実しており、この商品を買うだけでさまざまなデバイスに接続して使用することができます。
今回レビューするのは「Lapis Blue」という青色のモデルです。黒、青、金、赤の計4種類のカラーバリエーションが用意されています。
本体は金属製で、ヘアライン加工と合わせて高級感があるデザインに仕上がっています。
ケーブルは編み込み式で、巻きグセがつきにくく取り回しがしやすいです。右耳のケーブルの途中にインラインリモコンとマイクが付いています。
イヤホンの下側にはLとRが分かりやすく記載されています。
ケーブルの付け根には断線対策でカバーが付いていますが、申し訳程度で物足りなさを感じました。耐久性は少し心配ですね。
重量を測ったところ21gでした。
重さが気になるようなことは全く無いです。
キャリングポーチはちょうどいいサイズ感で、内側にはメッシュポケットがあり非常に使いやすいです。
交換用のイヤーピースは計6サイズ入っています。自分はMLサイズがピッタリ合いました。
AZLAはイヤーピース単体でも商品を展開しているブランドなので、今回の交換用イヤーピースもレベルが高く、フィット感が抜群です。
スマホやPCと接続するためのアダプターもハイレゾ対応の高品質な物が付属しています。
説明書には日本語で細かい使い方まで記載されています。
AZEL Edition G MK2の使い方
AZEL Edition G MK2と各デバイスの接続方法について解説していきます。
スマホと接続する場合
今回はiPhoneを使って説明します。
iPhoneのLightning端子に「3.5mm to Lightning DAC」を接続します。そこにイヤホンを挿したら使えるようになります。
インラインリモコンのボタンを押すことで再生/停止、曲送り等の操作が可能になります。
PCと接続する場合
「DAC内蔵USB Type-C変換ケーブル」をPCに接続し、そこにイヤホンを挿します。
PCにUSB-Cポートがない場合、付属のUSB-A変換アダプターを使用しましょう。
無事にPCと接続できると「Hi-Res Audio」という名前で認識されます。インラインリモコン内のマイクも音声入力として使うことができます。
スマホと同じく、ボタンで再生/停止、曲送り、曲戻しの操作ができました。
PS5と接続する場合
コントローラーのイヤホン端子に接続します。
4極の仕様なので、インラインリモコン内のマイクを使ってボイスチャットをすることが可能です。
プラグがL字になっており、コントローラーを持っても手にケーブルが当たらない点も良かったです。
Switchと接続する場合
Switch本体上部のイヤホン端子に接続します。
しかし、Switchのイヤホン端子はノイズが乗りやすく、自分の環境でも「ジジジ…」というノイズが常に鳴っている状態になりました。
Switchの本体に直接接続して使うのはオススメしません。テレビやモニターに出力して、そのイヤホン端子を使うことをオススメします。
AZEL Edition G MK2の音質
イヤホンとマイクの音質について、あくまでも個人の感想ですが思ったことを書いていきます。
イヤホンの音質
FPSゲームの「APEXモバイル」をプレイしてみました。
約1万円の商品ということで、めちゃくちゃ音質が良いとか解像度が高いようなことはありませんでした。あくまでも値段なりで、私が他に持っているモニターヘッドホンやイヤモニの方が音は良かったです。
ただ、イヤーピース単体でも商品展開をしているAZLAだけあって、イヤーピースのフィット感が抜群で、パッシブノイズキャンセリング(つまり耳栓効果)がよく働いて、ゲームへの没入感を高めてくれました。
敵の足音や銃声は問題なく聞こえます。他のイヤホンやヘッドホンよりも特別聞こえやすいとかはなかったです。
ハイレゾ対応ということで音楽も再生してみました。
音がこもっているとか逆にキンキンしているとかもなく、全体的にバランスの良いサウンドで普通に音楽鑑賞にも使えると思いました。
音の厚みやリッチさはあまり感じることはできませんでしたが、無難に必要な帯域をバランス良く卒なく鳴らしてくれている印象でした。
マイクの音質
実際に録音してマイクの音質を比較してみました。
比較対象は以下のとおりです。
- AZEL Edition G MK2
- Apple EarPods
- Razer BlackShark V2
録画ソフトのOBSで320kbpsで収録し、音量が小さかったので3種類とも均一に音量を上げました。
Apple EarPodsは音のヌケや明瞭度はよかったものの環境音のノイズが大きく、Razer BlackShark V2はヘッドセット特有のスカスカな音で聞き疲れしそうでした。
結果、この中だとAZEL Edition G MK2のマイクが一番良かったです。
AZEL Edition G MK2を使ってみた感想
AZEL Edition G MK2を使ってみて感じた、良かった点、イマイチだった点をレビューしていきます。
所有欲を満たしてくれるデザイン
多くのゲーミングイヤホンはプラスチッキーな見た目をしていますが、AZEL Edition G MK2はヘアライン加工された金属製の筐体になっており、所有欲を満たしてくれるような高級感があります。
カラーバリエーションも豊富で、自分は青色のさわやかな感じに一目惚れしました。
編み込み式のケーブルなので絡まりづらい
ケーブルが編み込み式になっているので巻きグセが付きづらく、ケーブルが絡まってイライラすることが起きにくくなります。
見てのとおりケーブルがまっすぐ伸びるので、使い勝手がとても良いです。
長さも175cmあります。
ゲーミングヘッドホンと比べて、長時間使っても負担が少ない
ゲーミングイヤホンとゲーミングヘッドセット、どちらを買った方がいいのか悩んでいる人も少なくないと思います。
両方持っているので使い比べてみましたが、長時間ゲームをプレイする人であれば、ゲーミングイヤホンの方がオススメです。
ゲーマーの人の中には1日に何時間もゲームをプレイする人もいると思いますが、ヘッドホンが重いとそれだけで首や肩が痛くなる心配があります。しかし、イヤホンの場合、ヘッドホンの10分の1くらいの重量なので、長時間装着しても体への負担が少なくて済みます。
特にAZEL Edition G MK2はイヤーピースのフィット感が抜群なので、耳の中も痛くなりづらいと思いました。
デメリットとしてはカナル型イヤホンの特性上、ヘッドホンと比べて音の広がりや空気感が少ないことが挙げられます。
没入感を高めてくれる
音質の項目でも触れましたが、カナル型のイヤホンでフィット感も抜群ということで、外部の音をシャットアウトしてくれてゲームや音楽への没入感を高めてくれます。
この点は自分が持っている他のイヤホンやヘッドホンよりも優れていると思いました。
特にFPSをはじめとした対戦ゲームでは、外部の音が聞こえてくると集中力が落ちてしまう可能性があるので、少しでも勝つ確率を上げたいという人は重視しておきたいポイントです。
高性能なUSB-DACが付属し、スマホゲームユーザーのニーズにも応えている
近年ではスマホのスペックが上がったこともあり、ハイクオリティなスマホゲームが続々と登場してきました。
そういったスマホゲームをボイスチャットしながら遊びたいという人におすすめなのがこのAZEL Edition G MK2です。
スマホと接続できる高性能なアダプターがひと通り付属しており、実用的な音質のマイクも内蔵されていることから、この商品を買うだけでボイスチャットしながらゲームができる環境がすぐに整います。
マイクの音質が意外にも良かった
最初、こういったゲーミングイヤホン・ゲーミングヘッドセットのマイクはおまけ程度で使い物にならないだろうと予想していたのですが、いい意味で予想を裏切ってくれました。
マイクの音質比較の動画からも分かるように、普通に聞き取りやすい音質をしていて驚かされました。
若干こもりがちなものの、角がとれた丸い音質で長時間聞いても聞き疲れしにくい音だと思いました。
ゲーム実況をするなら高音質な外部マイクが欲しいところですが、ボイスチャットの用途であれば十分使える音質だと思います。
FPSゲームで足音がよく聞こえて有利になるかというと疑問
プロゲーマー監修でFPSゲームに焦点を当てて設計されたゲーミングイヤホンということで、「これを使えば対戦で勝てる!」と少しばかり期待していたのですが、触れ込みほどは敵の位置や足音が分かるわけではありませんでした。
没入感を高めてくれるおかげでゲームに集中しやすいものの、他のイヤホンやヘッドホンより「足音や銃声がよく聞こえてゲームが有利になる」ということはありませんでした。
1万円の商品ですし、そこはあまり期待しすぎない方がいいと思います。
純粋に値段が高いイヤホンやヘッドホンの方が音の分離や解像度が高く、その分、敵の位置や足音も分かりやすくなります。
イヤーチップの取り付けに苦労した
最初から付いていたイヤーチップが小さかったので大きめのサイズに交換しようと思ったところ、イヤーチップの取り付けに苦労しました。
内側の取り付け部分がゴムになっているので、最初はそれが固くてなかなか広がらず、取り付けするのに時間がかかりました。
ただ、一度自分に合ったサイズに交換してしまえば当分の間は付け替えることはないと思うので、そこまで心配することではないと思います。
AZEL Edition G MK2の評価、レビューまとめ
以上、プロゲーマー監修のゲーミングイヤホン「AZEL Edition G MK2」をレビューしました。
期待ほどはFPSゲームで有利になるとは感じませんでしたが、1万円でこれだけ付属品が充実していて、イヤホンやマイクの音質も普通に使えるレベルなので、予算が限られている人の入門用のゲーミングイヤホンとしてオススメだと思いました。
究極の音質を求める人よりも、コスパや使い勝手を重視する人向けの商品ですね。デザインが気に入った人も迷わず買っていいと思います。
ぜひチェックしてみてください。