最高峰のミキシングコンソールを手掛けているSolit State Logic(SSL)から、「SSL 2」と「SSL 2+」という2種類のオーディオインターフェースが新たに登場しました。
このSSL 2シリーズは、かの有名なSSL社のサウンドを継承していながらも、2〜3万円台で購入できるということから、DTM初心者だけでなく中級以上のプレーヤーからも注目を集めています。
今回は、そんな「SSL 2/2+」がSSLの名前を冠するのにふさわしい商品なのかどうか、仕様や特徴を詳しくチェック&レビューしていきたいと思います。
SSL 2/2+ の仕様と外観
それでは「SSL 2」と「SSL 2+」の仕様や外観をそれぞれチェックしていきます。
太字の部分が上位機種の「SSL 2+」のみに搭載されている機能になります。
SSL 2
サイズ | 234mm x 157mm x 70mm |
重量 | 880g |
販売価格 | 28,600円(税込) |
- 2イン 2アウトのUSB-Type Cオーディオインターフェース
- SSLが設計したマイクプリアンプを2系統搭載
- SSLコンソール由来の4Kスイッチを搭載し、アナログ感の付与が可能
- 高品質なヘッドホン出力
- 24bit/192kHzに対応したAD/DAコンバーター
- 使いやすいモニターミックスコントロール
- バランス出力のモニターアウトプット
- SSL Production Packのソフトウェアがバンドルされている
- WIndows / Macの両方に対応し、USBバスパワーで動作可能
SSL 2+
サイズ | 234mm x 157mm x 70mm |
重量 | 900g |
販売価格 | 35,475円(税込) |
- 2イン 4アウトのUSB-Type Cオーディオインターフェース
- SSLが設計したマイクプリアンプを2系統搭載
- SSLコンソール由来の4Kスイッチを搭載し、アナログ感の付与が可能
- 高品質なヘッドホン出力を2系統搭載
- 24bit/192kHzに対応したAD/DAコンバーター
- 使いやすいモニターミックスコントロール
- バランス出力のモニターアウトプット
- ミキサーなどに簡単に接続できるアンバランスのRCA出力あり
- MIDI In/Out搭載
- SSL Production Packのソフトウェアがバンドルされている
- WIndows / Macの両方に対応し、USBバスパワーで動作可能
SSL 2/2+ の特徴
SSL 2/2+は、2020年1月に開催された世界規模の楽器ショー「NAMM Show」で発表され、世界中のミュージシャンを驚かせました。
SSLからオーディオインターフェースが発売されるという事実だけではなく、コンパクトなサイズに音響のプロフェッショナル達をうならせるほどの性能・周辺機器との接続性を備えていること、それに加えて何よりも一部のレコーディングスタジオでしか味わうことができなかった「SSLサウンド」を、誰もが手に入れられるようになったことが一番の驚きでした。
近年では、FocusriteからISAマイクプリアンプの空気感を再現するオーディオインターフェースが発売されていたり、Steinberg UR-RTシリーズのオーディオインターフェースに至ってはNeveのトランスフォーマーを搭載したりしている等、安価なオーディオインターフェースの性能の向上・価格競争が続いていましたが、SSLの登場により、ようやく大本命が現れたと言うことができるでしょう。
SSLのサウンドが特別視される理由としては、1980年代に登場し、原音に忠実ながらもサウンドをよりアグレッシブに色付ける「SSL 4000 E」、柔らかく丸みのあるサウンドに近づける「SSL 4000 G」という名機のコンソールの存在が挙げられます。
SSL 2/2+では本体に付いている「レガシー4Kボタン」を1回押すだけで、これらの4000シリーズのコンソールの音色を、いとも簡単に再現できるようになっています。
「SSL 2」と「SSL 2+」の違い
まず「SSL 2」と「SSL 2+」の違いについてですが、2+の方が出力が2系統多い計4outになっています。
また、MIDI In/Outが追加されるのに加え、独立したヘッドホン出力も計2出力に増えており、モニタリングの音量を個別に調節することができます。
それ以外の仕様は同一であり、ギターやベース等の楽器を直接接続できる「Hi-Z」端子や、+48Vの「ファンタム電源」への対応、入力の値を確認できるピークメーターが備え付けられています。
外観についても、SSLの伝統を受け継いだ赤と青のノブでカラーリングされていたり、操作しやすいようにボタンやノブが配置されていたりするなど、価格の安さを感じさせないほどのプロ仕様の設計になっています。
どちらを買おうか迷っている方にアドバイスするとすれば、確実に上位モデルの「SSL 2+」をオススメします。
その理由として、価格差がたったの約6,800円ということと、ヘッドホン出力が2系統に増えることでモニタリングの柔軟性が増し、追加の機材不要で2人での共同作業ができるようになることが挙げられます。
SSL 2/2+ の音質
サウンドデモをご覧ください。
SSL 2/2+ レビューまとめ
以上、SSLのノウハウが詰め込まれたオーディオインターフェース「SSL 2」および「SSL 2+」についてレビューさせていただきました。
ラックタイプのインターフェイスとは違い、ドラムレコーディングなどの入力が多数求められる現場での使用には向かないものの、DTM初心者〜中級者、あるいはプロのミュージシャンの持ち運び用のサブオーディオインターフェースとしてもオススメだと感じました。
筆者としては、このSSL 2/2+の登場は、SSLがオーディオインターフェース業界に本格的に参入するための序章に過ぎないと予想しており、今後ハイエンドなモデルが登場するのではないかと期待しています。
もしこれらの詳細が気になった方がいましたら、ぜひ商品ページの概要やレビュー欄をチェックして購入の参考にしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。