ゲーマー向けのワイヤレスイヤホン「GENKI Waveform」をレビューします。
私はApex Legendsやポケモンユナイトといった仲間とチームを組んで対戦するゲームで遊んでおり、それらのゲームではボイスチャットを使って連携することでゲームを有利に進めることができます。
しかし、PCゲームではPC内でゲーム音と通話アプリを管理できるものの、PS5やNintendo Switchでは、キャプチャーボードやミキサーを使わないとゲーム機の音声とボイスチャットを混ぜて同時に聞くことができません。
そんな中、イヤホン単体で2つのデバイスの音声を同時に聞けて、低遅延でノイズキャンセリングまで搭載されたワイヤレスイヤホン「GENKI Waveform」が発売されることになりました。
URL https://www.makuake.com/project/genki_waveform/
今回メーカーさんからサンプル品をお借りし、先行でレビューさせていただくことになりましたので、本記事ではどんなワイヤレスイヤホンなのか詳しく見ていきたいと思います。
GENKI Waveformとは?(スペック、概要)
今回レビューする「GENKI Waveform」は、超コンパクトなNintendo Switchドック等を手掛けているGENKIシリーズから新たに発売されるワイヤレスイヤホンです。
これまでゲーム機とスマホやPCの音声を同時に聞くには、オーディオインターフェースやミキサーを使って音声を混ぜたり、2つのイヤホンを片耳づつ装着して聞いたりする必要がありました。
しかし「GENKI Waveform」はデュアル・ストリーム機能を搭載しており、PS5やSwitchのゲーム音とスマホの通話アプリなどの2つの音声を同時に聞くことができる画期的なワイヤレスイヤホンになっています。
そんな「GENKI Waveform」のスペックは以下のとおりです。
タイプ | 無線 |
形式 | カナル型 |
再生周波数帯域 | 20Hz〜20000Hz |
チップセット | Qualcomm 3056 |
対応コーデック | aptX Adaptive、aptX HD、aptX、AAC、SBC |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
最大再生時間 | ノイキャン OFF:最大14時間(ケース込み最大42時間) ノイキャン ON:最大9時間(ケース込み最大27時間) |
充電方式 | USB-C、ワイヤレス充電 |
防水性能 | IPX4 |
重量 | 片側6.9g、ケース51.1g |
一般販売予定価格 | 37,200円(税込) |
特徴的な機能は以下のとおりです。
- デュアル・ストリーム機能で2つのデバイスの音声を同時に聞ける
- 50msの低遅延
- 大口径ドライバー搭載。最大96khz/24bit対応の高音質なサウンド
- ノイキャン搭載で周囲の音をカット
- ワイヤレス充電対応
- アプリでイコライザーの調整が可能
まさにフルスペックの全部盛りと言えるようなワイヤレスイヤホンになっています。
その分、値段も高くなっているのですが、Makuakeというクラウドファンディングサイトでは、23%オフの28,300円(税込)から購入することができます。(早割の場合。2022年8月30日まで)
URL https://www.makuake.com/project/genki_waveform/
GENKI Waveformの外観と付属品
GENKI Waveformの内容物は以下のとおりです。
- イヤホン本体
- 交換用イヤーピース(3形状×3サイズ)※1つは本体に装着済み
- USB-C to USB-Aケーブル
- 3.5mmAUX to USB-Cケーブル
- 取扱説明書
付属のイヤーピースが豊富なのがポイントです。
今回紹介するのは「BLUE」のモデルで、他には「KURO(黒)」というカラーバリエーションが用意されています。
マットな紺色をベースに、フタの部分はメタリックな金色になっており、ツートンデザインが美しいです。
裏面にはUSB-C端子と2つのボタンが配置されています。
これまでいくつものワイヤレスイヤホンをレビューしてきましたが、充電ケースに物理的なボタンが付いている商品は比較的珍しいと思いました。
とはいえ、このボタンはペアリングやUSB接続時のマイク切り替えに使うくらいで、主要な操作はイヤホン側で行います。
底面には何もありませんが、ワイヤレス充電に対応しています。
フタの表面にはGENKIのロゴマークが掘られています。
フタを開くとイヤホンを取り出すことができます。
ケースが自立し、フタも90度パカッと開くのでとても取り出しやすいです。
イヤホン収納部分はマグネットが使われているので、イヤホンを近づけると磁力で勝手にくっついてくれます。
イヤホン本体もケース同様、紺色と金色のツートンデザインになっています。
青く光るLEDインジケーターと合わせてクールな印象を受けます。
右側のイヤホンのみGENKIのロゴがあります。
イヤーピースの交換も簡単で、ひっぱるだけで外すことができ、付属のイヤーピースの中から好きな種類・サイズに付け替えることができます。
一般的なシリコン製のイヤーピースの他に、ウレタン製の形状記憶フォームチップ、スタビライザーという珍しいイヤーピースまで付属しています。
イヤホンの重量は片側約7gで、長時間つけていても負担になりません。
ケース自体の重さは約49gで、一般的なワイヤレスイヤホンのケースと同じくらいの重量になっています。
3万円前後くらいの同じ価格帯のワイヤレスイヤホン「SONY WF-1000XM4」「AirPods Pro」と並べてみました。
ケースは少し大きいですが、イヤホンの大きさはそこまで変わらない印象です。
GENKI Waveformのペアリング方法、使い方
GENKI Waveformのペアリング、設定方法を解説します。
Nintendo Switch等と接続したい場合、付属の「USB-C to USB-Aケーブル」を使用します。
■USB-A側をゲーム機の端子に接続し、USB-Cをケースに接続します
■その後、イヤホンをWaveformのケースから取り出します
■ペアリング待機状態に入るので、スマホやPCのBluetoothの設定画面を開きます
■「Waveform」という機器が表示されるので、それを選択すると接続されます
■ゲーム機の音とスマホやPCの音を同時に聞くことができるようになれば、設定完了です
GENKI Waveformの内蔵マイクの音質
GENKI Waveformのワイヤレスイヤホン内蔵のマイクで録音をして、音質を比較してみました。
録画ソフトのOBSで320kbpsで収録し、音量調整もEQによる補正もしていない素の状態の音になります。
自分で聞き比べた結果、「内蔵マイクの音質はあまり良くない」という評価に落ち着きました。
あくまでもオマケ程度に考えて、外部マイクやスマホ側のマイクを使うのがいいのではないかと思います。
GENKI Waveformを使ってみた感想
GENKI Waveformを使ってみて感じた、良かった点、イマイチだった点をレビューしていきます。
普通に音質がいい
私は音響にもこだわっており、普段はRMEのオーディオインターフェース+Neveのヘッドホンアンプ+YAMAHAのモニターヘッドホンを使っています。総額は15〜20万円くらいで、そういった視点から評価していきます。
まずイヤホン自体の音質ですが、くせがなく「ワイヤレスイヤホンにしては普通に音質がいい」という印象を受けました。
自分が使ってきた中では「SONY WF-1000XM4」が最強で、それと比べると音の広がりや抜け、純粋な音質は劣ります。
しかしそれと比較せずにGENKI Waveformだけを使った場合、音がこもっているとか逆にキンキンするとかがなく、音の解像度もAirPods Proよりは確実にマシ。
欠点が見当たらず癖がないので違和感がなく普通に使えると思いました。
USBで接続するのでゲーム音にノイズが乗らず、音の劣化も気にならない
ゲーム機と接続する場合、USB端子につなげるのでUSB-DACを使っているような仕組みになります。
上記はPS5に接続した時の画像ですが、USB機器として認識されており「Waveform SmartCase」と表記されています。
Nintendo Switchでも同じくUSBでのオーディオ出力扱いになります。
オーディオ端子からアナログで出力しているわけではないので、ノイズが乗らず、音の劣化も気になりません。
音量の調整もゲーム機やコントローラーから調整できて便利です。
遅延が少なく、FPSなどのゲームでも使える
PS5に接続して「Apex Legends」というFPSのゲームをプレイしてみました。
公式の説明で「50msの低遅延」とありますが、数字で言われてもよく分からないので実際にプレイしてみたところ、アクションゲームやFPSなら問題なくプレイすることができると思いました。
足音のような周囲の状況把握などの要素が重要なので、音がコンマ数秒遅れていたとしてもプレイに支障は出ませんし、自分が撃った銃声も遅れていると気付かない程度です。
タイミングがシビアなリズムゲー、音ゲー以外なら大丈夫でしょう。
PCやミキサーなどの機材が不要
これまでゲーム機とスマホやPCの音声を同時に聞くには、オーディオインターフェースやミキサーを使って音声を混ぜる必要がありました。
また、スマホのDidcordを使ってフレンドと通話しながらPS4,PS5やSwitchをプレイしようと思うと、オーディオスプリッターのような機材が必要になりました。
しかしGENKI Waveformがゲーム機とスマホやPCの音声を混ぜるミキサーみたいな役割を果たすので、それらの周辺機材が不要になります。
ノイズキャンセリングや外音取り込みはそこそこ
ノイズキャンセリングの性能は必要十分で、周囲のノイズを大幅にカットしてくれます。他社製品よりも凄いとか劣るとかは特になく、よく出来ていると思います。
外音取り込みはAppleのAirPods Proが素晴らしく、イヤホンを付けていないような感覚にさせてくれるのですが、それ以外の商品だとGENKI Waveformも含めてどんぐりの背比べだと思いました。
ワイヤレス充電ができて便利
自分はスマホやタブレット、ワイヤレスイヤホンは全てワイヤレスで充電しています。
このGENKI Waveformもワイヤレス充電に対応しているので、充電パッドに乗せるだけでケーブル無しで充電できて便利です。
ワイヤレス充電パッドはAmazon等で2,000円以下で買えるのでオススメです。
Bluetoothが2台同時に使えるわけではない
「2台の音声を同時に聴けるイヤホン」ですが、ケースのUSB-C端子に接続したデバイス+スマホやPCのBluetoothデバイスが条件になります。
つまりBluetoothが2台同時に使えるわけではないので、注意が必要です。
システム音がうるさい(※製品版では改善予定)
ペアリング待機時や、ノイズキャンセリングや外音取り込みのモードを切り替えた時のシステム音のボリュームが大きく、うるさいと感じました。
しかも鐘を鳴らしたような高い音なので余計にそう感じます。
ただ、メーカーさんに確認したところ、鐘を鳴らしたような音そのものと音量も製品版では変更されるとのことなので、この点は心配しなくてもよさそうです。
GENKI Waveformの評価、レビューまとめ
以上、ゲーマー向けのワイヤレスイヤホン「GENKI Waveform」をレビューしました。
システム音がうるさいという欠点があったものの製品版では改善予定ですし、ゲーム機とスマホやPCの音を同時に聞くことができる唯一無二のワイヤレスイヤホンで、音質や機能も高水準にまとまっている良い商品だと思いました。
特に「ゲームをよくプレイするけど配信はしない」という人にオススメですね。配信をしようと思うと結局別の機材が必要になるので。
Makuakeというクラウドファンディングサイトで、23%オフの28,300円(税込)から購入することができます。(早割の場合。2022年8月30日まで)
URL https://www.makuake.com/project/genki_waveform/
ぜひチェックしてみてください!