Gravastarのワイヤレススピーカー「Gravastar G1」をレビューします。
どこでも音楽を再生することができるワイヤレススピーカー。バッテリーを内蔵し、ケーブル不要で使えることから、一家に一台あると便利な商品です。
そんなワイヤレススピーカーですが、これまでのワイヤレススピーカーの常識を覆すような、男心をくすぐるデザインをした商品「Gravastar G1」が登場しました。
この「Gravastar G1」は、SF映画に出てくるロボットのような見た目が人気を博し、クラウドファンディングで3,000万円以上もの出資を集めることに成功した商品になります。
今回代理店さんからサンプル品を送っていただきましたので、本記事ではどんなスピーカーなのか詳しくレビューしていきたいと思います。
Gravastar G1とは?(概要・スペック)
今回ご紹介する「Gravastar G1」は、Gravastar(グラバスター)というアメリカの会社が開発したワイヤレスBluetoothスピーカーです。
スケッチから始まったというGravastarのスピーカーは、まるでSF映画に出てくるような球体ロボットのような見た目をしており、その近未来的なビジュアルが受けて海外で注目を集めることとなりました。
その後日本に入ってきたのですが、クラウドファンディングサイトで3,000万円以上もの出資を集め、SNSでも話題になりました。
球体ロボットの斬新なデザインばかりに目を向けられがちですが、実はこの形にも理由があり、球体にすることで周囲に均等な音を届けられるという工夫が凝らされています。
さらに、素材に亜鉛合金を使用することにより深い重低音を響かせることが可能。音質にもこだわっているワイヤレススピーカーになっています。
そんな「Gravastar G1」のスペックは以下のとおりです。
接続 | Bluetooth5.0(Qualcommチップ) または、AUX 3.5mmオーディオケーブル |
コーデック | SBC、AAC |
通信距離 | 最大10メートル |
出力 | 20W |
バッテリー容量 | 2,600mAh×4 |
充電時間 | 約6時間(5V2Aアダプター使用の場合) |
端子 | USB-C、3.5mmオーディオジャック |
サイズ | 約20×20×19cm |
重さ | 約1.6kg |
価格 | 26,400〜39,600円(税込)※カラーにより異なる |
Bluetoothのコーデックは最高峰の「aptX」こそ対応していないものの、高音質な「SBC」「AAC」に対応しており、特にApple製品を使っている人には必要十分です。(iPhoneやMacはaptXには非対応)
バッテリーについても計10,000mAh以上もの容量を搭載し、なんと最長20時間の連続駆動が可能。充電端子にも最近主流のUSB-Cが採用されており、スペックに抜かりはありません。
見た目だけじゃない、本格派なワイヤレススピーカーということが分かります。
カラーについて、今回シンプルな「メタルグレー」を送ってもらいましたが、Gravastarシリーズはこの他にも「ウェザリングイエロー」などの個性的なカラーバリエーションが用意されています。
Gravastar G1の外観と付属品
Gravastar G1の内容物は以下のとおりです。
- ワイヤレススピーカー本体
- USB-C to A ケーブル(1メートル)
- AUXケーブル(1メートル)
- 取扱説明書
取扱説明書は日本語に対応しています。
全体像はこんな感じ。3ツ足で丸みを帯びたデザインです。亜鉛合金が使われているので、金属特有のメタリックな質感やひんやりとした手触りが印象的です。
正面を見ると2.5インチのスピーカーが1基搭載されています。
外装の機体ナンバーなどのデザインも、細かいところまでしっかりと転写されており、Gravastarの世界観を表現しています。
背面は回転ファンのようなデザインになっています。実際には穴は開いていません。
頂部にはタッチセンサーを搭載した音量調節ゲージがあります。
電源ボタン、再生/停止ボタン、LEDをオフにするボタン、2台同時接続するときのペアリングボタンが付いています。
底面には、AUXケーブルを接続するための3.5mmオーディオジャックと充電用のUSB-C端子があります。
3つの足はそれぞれ1つ目の関節を動かすことができます。無段階ではなく、数段階に別れていてカクカクと止まります。足の先端にはゴムのパーツが付いているので、安定感があるとともに、触れたものを傷つける心配がありません。
本体の電源を入れると各パーツのLEDが点灯します。設定でオフにすることも可能です。
Gravastar G1の使い方、接続方法
まずは、あらかじめスピーカー本体を充電しておきます。付属のUSB-Cケーブルを本体底面に接続することで充電が始まります。(アダプターは付属していないので各自用意してください)
充電が始まると本体右側のLEDが緑色に点滅します。点滅が終わって緑色のLEDが常時表示されると充電完了になります。
中央の赤いボタンを3秒長押しすると、「ウィーン」という起動音が鳴ってLEDがつき電源が入ります。(電源を切る場合は逆の操作)
Bluetooth接続するには、右上のBluetoothマークのボタンを押します。すると「Ready to pair」という通知音が聞こえ、ペアリングの準備に入ります。
ペアリングの準備ができたら、接続したいデバイスのBluetooth設定画面を開き、接続先のスキャンをします。そのリストの中に表示されている「Gravastar」を選択することでBluetooth接続をすることができます。
AUXケーブルを使って有線接続したい場合は、付属のAUXケーブルをスピーカー本体と再生デバイスに接続するだけでOKです。これでBluetooth機能がないデバイスの音声も再生することができます。
音量調整は頂部のタッチセンサーで行います。センサーにタッチして指をスライドさせることで音量を上下させることができます。
Gravastar G1を使ってみた感想
前提として、私は趣味で音楽制作をしており、2〜3万円のヘッドホンを複数所持し、ペアで5万円以上するモニタースピーカーも普段から使用しています。
そういった私が実際に使ってみて、どう感じたのかを紹介していきます。
厚みのある中域がどっしりと聞こえ、かつナチュラルな低音を再現
従来のワイヤレススピーカーでは、低音が足りずシャカシャカした音が鳴るイメージがあったのですが、この「Gravastar G1」は亜鉛合金を使用しているためか低域が十分鳴っており、特に中域に厚みがあるボーカルが聞き取りやすい音だと感じました。
約1.6kgの重量も決して無駄ではなく、低音をしっかり再生させるために役立っています。イコライザーで作り上げられた低音ではなく、音源が持つ低音を受け止めて鳴らしている印象を受けました。
ただ、1台だけだと音の広がりやステレオ感に欠けますね。左右でどんな楽器が鳴っているのか、細かい音までは聞き取ることができませんでした。
音楽鑑賞にガチで使うというよりは、映画やドラマなどの音声を主体とした作品や作業用BGMを再生させるのに向いていると思います。
スマホやタブレットに内蔵されているスピーカーよりも遥かに音質が良いので、「Bluetoothで手軽に接続して動画を見る」というような使い方がおすすめです。
室内BGM、店内BGMを流すのにもおすすめ
デスクの上やベッドサイドで1人で使うのも当然ありですが、人が出入りする場所でもかなり使えると思いました。
というのも、球体デザインのおかげで全方向に音が向かうので、自宅のリビングや店舗などのある程度広さがある空間でも、さまざまな場所に音を届けることができるからです。
正面以外から聞くとほんのわずかに音がこもる感じがしますが、普通に実用的です。音量の極端な変化もありませんでした。
ペットのように愛着が湧わくデザイン
亜鉛合金を使用した重厚で無機質なスピーカーではありますが、どこか愛くるしさが感じられます。
本体正面に”一つ目”のようなLEDが搭載されており、これが顔に見えて生き物らしさが生まれているのではないかと思います。
スピーカーとして使うときに自分の方に向けて設置することで、まるでこっちを見つめているような感覚がしますね。
サイズ感も丁度よく、ペットのように愛着が湧くと思いました。
2台同時接続することでステレオで再生が可能
今回1台しか手元にないのでチェックできませんでしたが、このスピーカーは「TWS(True Wireless Stereo)」に対応しており、2台用意して同時接続することでBluetoothの左右ステレオ再生が可能になっています。
単体でも十分良い音質だと思いますが、これが左右で使えるとなると相当贅沢ですね。
「色違いのGravastarを左右に置いてリスニング環境を作る」みたいな使い方も面白そうです。
端子が本体底面にあるのでアクセスしにくい
USB-CやAUXの端子が本体の底面にあるので、わざわざ本体を裏返しにしてケーブルの接続や取り外しをしなければならない点が不便だと感じました。
特にAUXケーブルを使って有線接続する場合、本体下からケーブルが見えて不格好になってしまいます。
端子の位置については、背面にあったほうが見た目や使いやすさの面で良かったのではないかと思います。
付属のUSB-Cケーブルの先端がL字になっているのは、一応配慮がされていて好印象でした。
防水には対応していないので屋外での使用には注意
一般的なワイヤレススピーカーは、屋外で使うことを想定して防水・防塵の機能が備わっていることが多いのですが、この「Gravastar G1」にはそういった機能がないので、屋外で使うときには注意が必要です。
ただ、3本足がそれぞれ高さを微調整できるようになっていて、ゴツゴツした場所や不安定な場所でもしっかりと自立するので、そういった点では屋外でも使いやすいかもしれません。
Gravastar G1の評価、レビューまとめ
以上、「Gravastar G1」についてレビューさせていただきました。
値段が高いのと防水に対応していないのがネックですが、それが許容できるのであれば、デザインに一目惚れして買っても問題ない商品だと思いました。音質も万人に受け入れられるチューニングが施されています。
「他人とは違うスピーカーが欲しい」という人や、「自分だけの世界観を創り上げたい」という人はぜひチェックしてみてください。